π²/6 in double integral
この記事は好きな証明 Advent Calendar 2018 - Adventarの16日目の記事です。
昨日はryunryunryun_さんの「Graphon空間はコンパクト」でした。
以下の証明の出典は 「Proofs from THE BOOK」(Martin Aigner ・ Günter M. Ziegler 著)のChapter 9 - Three times π²/6です。高校1年生のときに読んで好きになった証明です。
証明
Basel problem

を示します。
Lemma 1
![\displaystyle\sum^\infty_{k=0}\dfrac{1}{(2k+1)^2}=\iint_{[0,1]\times[0,1]}\dfrac{1}{1-x^2y^2}dxdy](https://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chl=%5Cdisplaystyle%5Csum%5E%5Cinfty_%7Bk%3D0%7D%5Cdfrac%7B1%7D%7B%282k%2B1%29%5E2%7D%3D%5Ciint_%7B%5B0%2C1%5D%5Ctimes%5B0%2C1%5D%7D%5Cdfrac%7B1%7D%7B1-x%5E2y%5E2%7Ddxdy)
] (not
)で、
なので、上の積分は
と等しくなります。これを計算すると補題1が示されました。
Lemma 2

は絶対収束するので、その
倍であるところの
を引いてよく、補題2が示されました。
以上で、示すべき式が
Basel problem
![\displaystyle\iint_{[0,1]\times[0,1]}\dfrac{1}{1-x^2y^2}dxdy=\dfrac{\pi^2}{8}](https://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chl=%5Cdisplaystyle%5Ciint_%7B%5B0%2C1%5D%5Ctimes%5B0%2C1%5D%7D%5Cdfrac%7B1%7D%7B1-x%5E2y%5E2%7Ddxdy%3D%5Cdfrac%7B%5Cpi%5E2%7D%7B8%7D)
になりました。
ここで、変数を
とすると、などが成り立ち、結局
となります。
積分範囲がどう移るかを考えると、なので、
っぽいです。実際
]
]から
がこの範囲に定まって、この範囲の
から
で定まる
は
]
]の中にあります。
次に中身がどうなるかを考えましょう。具体的には
を計算します。これは、
となって、求める積分は、となりますが、これは直角を挟む辺の長さが
であるような直角二等辺三角形の面積と等しいです。よってこの積分の値は
となり、バーゼル問題が示されました。
明日はcanaan1008さんの「バーゼル問題を幾何学的に」です。楽しみですね!